こんな疑問にお答えします
本記事の内容
- GoogleのSGEとは
- SGEが行われると検索がどのように変わるのか
- この変化に伴い、影響が出ることとは
- SGEの未来とは
本記事の執筆者
2023年5月11日、Googleは「Bard」という日本語対応のAIを発表しました。
多くの方々がテレビのニュースでその発表を目にしたのではないでしょうか。
しかし、実はその日、GoogleはTwitter上で驚くべき発表をしていたのです。
With new generative AI capabilities in Google Search, we’re now taking more of the work out of searching, so you’ll be able to understand a topic faster, uncover new viewpoints and insights, and get things done more easily. Learn more and how to sign-up for our Search Generative… pic.twitter.com/V3OK1KHYEn
— Google SearchLiaison (@searchliaison) May 10, 2023
簡単に言えば、Googleは将来的に通常の検索結果の一番上にAIの検索結果を表示するデザインに変更する予定とのこと。
これはGoogleの新たな進化です。
この進化が、私たちブロガーにどのような影響を与える可能性があるのか、僕なりに考えてみましたので共有したいと思います。
特に以下のような方々には、ぜひ読んでいただきたい記事です。
- SGEについてよく分からない方
- SEO重視でブログを運営している方
- SGEがもたらす未来に興味がある方
- SGEのメリットとデメリットが知りたい方
この記事を最後まで読みますと、SGEの影響を受けないための対策を先手で考え、行動できるようになるでしょう。
読み終えたら、あなたなりにSGEの影響について考えてみてください。
そして何か1つでもいいので、対策のための行動をしてみてください。
目 次
Googleの「SGE」とは
冒頭でもお伝えしましたが、2023年5月11日にGoogleは、ジェネレーティブAI(生成系AI)を検索エンジンに組み込むことを発表しました。
これをGoogleはSGEと呼んでおり、SGEは、Search Generative Experienceの頭文字をとったものです。
「SGE」という言葉自体、なかなかイメージが湧きにくいかもしれませんので、実際の動画をご覧ください。
映像の中でちらっと見えたかと思いますが、新しいGoogleの検索結果画面では、AIによる検索結果が上部に表示されます。
これが今後のGoogleの検索結果画面となるのです。
そのように思われた方が多いと思います。
実際には、まだ日本では利用できない状態ですが、アメリカでは選ばれたユーザーだけが既にSGEを体験しています。
日本のSEOの第一人者である鈴木謙一氏も既に触れており、その体験を記事にまとめています。
新たな時代の到来に、ますます80%の期待と20%の不安が高まります。
Googleの「SGE」で何が変わるのか
「GoogleがSGEを実装した場合、何が変わるのか?」という問いについて、先日僕のInstagramで投稿しました。
これまでは、疑問や問題が生じた場合、検索エンジンで検索し、解答が見つかりそうなウェブサイトを見つけ、解決策を見つけるために必要な情報を探しました。
もし解決できなければ、再びGoogleに戻り、別のウェブサイトで探し続けるというサイクルでした。
しかし、SGE(強化学習検索エンジン)が導入されると、最初にAIによる検索を行い、AIが問題を解決してしまった場合、僕たちブロガーの記事を読んでもらえなくなる可能性があります。
当然ですが、ブログに訪れてくれるユーザー数が減れば、アクセス数も減少してしまいます。
これは、ビッグワードであろうとスモールワード(テールワード)であろうと関係ありません。
アクセスを得る可能性が減少すると言われています。
「ビッグワードはアクセス数を増やすために上位表示を目指すべきキーワードである」というSEOの考え方が、将来的には影響を受けるかもしれません。
このような事態が起これば、僕たちブロガーの収益が減少してしまう可能性があります。
Twitter上では、こうした声が多くツイートされています。
「ブログはオワコンだ」
「ブログではもう稼げない」
「SEOの終焉だ」
といったものです。
果たして、これらの主張は本当なのでしょうか?
僕なりに考えてみましたので、次のチャプターでシェアしたいと思います。
Googleの「SGE」で影響を受けるサイトと受けないサイト
影響を受ける可能性が高いのは、情報やノウハウを提供するサイト(例えば、僕のブログ)です。
特に、「知りたい」というニーズに関連する検索クエリ(キーワード)に影響が出ると言われています。
検索クエリは大きく4つの種類に分けられます。
- Knowクエリ(~を知りたい)
- Goクエリ(~に行きたい)
- Doクエリ(~をしたい)
- Buyクエリ(~を買いたい)
その中でも、Knowクエリに関する情報を提供しているウェブサイトは特に影響を受けやすいです。
一方、影響を受けにくいサイトにはどのようなものがあるのだろうか?
逆に影響が受けにくいサイトは何か。
1つ目は、「そのサイトに行かなければ体験できない」サイトです。
このようなサイトは影響を受けにくいと考えられます。
例えば
- 商品を購入するサイト
- 動画を閲覧できるサイト
- 飲食店や宿泊施設の予約サイト
- データ分析を行うサイト
- 求人に応募するサイト
などです。
2つ目は、「法律で禁止されているコンテンツ」を提供しているサイトです。
アダルト系のサイトなどが該当します。
公序良俗に反するコンテンツはGoogleの答えを生成する対象とはならないようになっています。
3つ目は、プライベートなサイトです。
これらのサイトはAIの影響を受けることが少ないと思われます。
もし、まだBardを試したことがなければ、登録してみましょう。
一緒に検証していきましょう。
Googleの「Bard」は優秀なAIなのか?
2023年6月現在の僕の評価では、「Bard」は思っていたほど優秀ではないという評価です。
ただし、Googleには多くの優れたエンジニアが在籍しています。
おそらく今後のアップデートにより、将来的には現行のGoogle検索エンジンと同様に優れたAIになるでしょう。
ですので、僕の評価は2023年6月時点のものとお考えください。
では、なぜ「思っていたほど優秀ではない」と評価したのかを説明します。
Bardは、ChatGPTに比べて「使いやすい」「迅速な回答」「無料で利用可能」「新しい情報を提供」といった利点が確かに存在します。
しかし、Bardを使用すると以下のような課題があります。
- 会話の対応力に不安を感じることがある
- 平凡な回答しか返さないことがある
- (ChatGPTでも同様ですが)誤った情報を生成することがある
- 詳細な情報を把握していないことがある
このように、「人間が期待するレベルには、まだ達していない」と思ってしまう回答が返ってくる場合があります。
僕はNaoYama Blogのある記事作成のためにBardを利用し、あるサービスに関する情報収集を試みましたが、正しい回答が得られず、結局はそのサービスの公式サイトや担当者から情報を収集する方法に切り替えたことがあります。
Bardはまだ「試験運用中」であり、このレベルでSGEに実装するのは早計です。
仮に実装されたとしても、最初は興味本位で利用する人がいるかもしれませんが、生成される回答の質に気付き、利用者は徐々に減っていくと思われます。
利用者が減ることは、Googleが避けなければならない問題であり、SGEが本格稼働するにはまだ時間が必要と考えられます。
Googleの「SGE」は本当に脅威となり得るのか
Googleが開発した「SGE」によって、ブロガーたちが本当に脅威にさらされるのかという疑問に対して、僕は2つの答えがあります。
- まだ分からない
- 脅威にならない可能性がある
まだ日本でSGEがテスト実装されたわけではないので、「まだ分からない」というのが1つの答えです。
もう1つの答えである「脅威にならない可能性がある」とは、Googleが実装した機能からこのような結論を導き出しました。
例えば、Googleの検索結果内にはTwitterの結果が表示されたり、
求人情報が表示されたり、
動画が検索結果に表示されたり
(そのサイトにアクセスする必要なく)情報がGoogleの検索結果内で得られる機能は多く存在します。
これらの機能が導入されたにも関わらず、求人系のウェブサイトのアクセス数が大幅に減少したという話は聞いたことがありません。
僕の友人で転職会社のウェブサイトの運営に携わっている人も「影響はほとんど受けていないよ」と話しています。
結局のところ、ユーザーは情報提供元のウェブサイトにアクセスしているのです。
もしかしたら、Googleの上記の機能は便利であるとユーザーは気づいているかもしれませんが、実際にはあまり使用していない可能性もあります。
野村総合研究所が公表している「日本のChatGPT利用動向(2023年4月時点)」によれば、ChatGPTを知っている人は61.3%ですが、実際に利用したことがある人は12.1%とそれほど高くありません。
したがって、GoogleがSGEを導入したとしても、多くの人が利用しない(結局は通常の検索を利用する)ということは十分にあり得ると考えています。
このような理由から、「脅威にならない可能性がある」という結論に至る可能性もあると思っています。
「脅威にならない可能性がある」ということは、「アクセス数が大きく減る可能性が少ない」というのが本チャプターの結論です。
》日本版SGEがついに襲来!今後のブログについて予測してみた
-
日本版SGEがついに襲来!今後のブログについて予測してみた
誰しもが使う「SGE」となってしまったら…
予想に反して、誰しもが検索する前にまずAIで調べるという世の中になった場合、我々ブロガーは生き残るために2つの対策を講じる必要が出てくるでしょう。
- SEOに頼らないチャネルの開拓
- Bardでさえ、解答を導き出せない情報を記事化する
2つについて説明していきます。
SEOに頼らないチャネルの開拓
SEOだけに頼らず、TwitterやInstagramなどのSNSやYouTubeやTikTokなどの動画プラットフォームを新たに活用することは、アクセス数の確保がSEOだけに依存していないという意味で重要です。
SEOでアクセス数を確保できなくなった場合でも、第2や第3のアクセス数を増やす方法を確立しておくことは、賢明な選択です。
より多くの人々にアプローチするために、多様なチャネルを開拓することをおすすめします。
もちろんチャネルのアカウントを作っただけでは意味がありません。
各アカウントの育成(フォロワー数を増やす)が必須となります。
Bardでさえ、解答を導き出せない情報を記事化する
BardといったAIでは、独自の考えを持ち、1つのテーマに深く掘り下げた情報については解答を導き出せません。
AIが提供する答えはしばしば「ありきたりな」情報になります。
つまり、一般的な回答が多いのです。
しかし、無難な答えではなく、独自の考えを持つ人々の声を聞きたいというユーザーも存在します。
このような情報をAIが生成するのは非常に難しいでしょう。
専門的な知識を持った方ならば、プロンプトを使用してそれを実現できるかもしれませんが、一般的なユーザーには困難です。
プロンプトを使いこなせない一般ユーザーにとって、尖った情報が必要となる場合、AIを使わずに独自の考えを持ったウェブサイトに直接アクセスするでしょう。
このような状況が実現すれば、Googleに頼らずにアクセス数を増やすことができるでしょう。
(今後、対策方法が見つかったら、記事を追加していきます。)
まとめ:Googleの新たな進化!SGEがもたらす検索の変革とは?
本記事を簡単にまとめると…
本記事のまとめ
Googleの「SGE」とは
ジェネレーティブAI(生成系AI)をGoogleに組み込む。SGEは、Search Generative Experienceの頭文字をとったもの。
Googleの「SGE」で何が変わるのか
最初にAIによる検索を行い、AIが問題を解決してしまった場合、ブログ記事を読んでもらえなくなる可能性がある。
Googleの「SGE」で影響を受けるサイトと受けないサイト
- 【影響を受けるサイト】情報やノウハウを提供するサイト
- 【影響を受けないサイト】「そのサイトに行かなければ体験できない」サイト
- 【影響を受けないサイト】「法律で禁止されているコンテンツ」を提供しているサイト
- 【影響を受けないサイト】プライベートなサイト
「SGE」は本当に脅威となり得るのか
ChatGPTを使ったことが人がまだ1割しかいないことから、多くの人が利用しない(結局は通常の検索を利用する)ということは十分にあり得る。
誰しもが使う「SGE」となってしまったら…
- SEOに頼らないチャネルの開拓
- Bardでさえ、解答を導き出せない情報を記事化する
未来から見た場合、2023年はAI元年と言えるかもしれません。
ChatGPTをはじめとするさまざまなAIが登場しています。
検索の分野では、Googleが「Bard」をリリースしましたが、実はそれよりも前に、マイクロソフトが運営するBingはAIの「BingAI」のテスト版を公開し、その後、検索エンジンに組み込まれました。
Googleも「SGE」などで追随することはもちろんであり、AIの性能向上を進めていくでしょう。
その結果、「AIを頻繁に利用して答えを探すユーザーが増えるかもしれない」という一方で、「思っていたほどは使われない」という結果が出る可能性もあります。
まだ具体的にどうなるかは分かりませんが、こういった場合にはネガティブな予想を考慮しておく方が良いでしょう。
AIを頻繁に利用するユーザーが急増し、キーワード検索やウェブサイトへの訪問数が減少するという状況を想定し、先手を打って対策を取るようにしましょう。